金継ぎってどのくらい日にちがかかる?

金継ぎが完成するまでには、一体どのくらいかかるものなんでしょう?

私の答えは、「数ヶ月~半年・だけど、一概には言えない」です。

トップ画像は半年で完成したぐい吞みのちょうど3か月くらいの様子。朱色の漆をせっかく塗ったのにヤスリで研いだので黒っぽくなっています…振り出しに戻ったようにがっかりした瞬間でした。まだまだ折り返し地点。

これは、最初にすごく気になる質問ですし、私も同じことを教室の先生に聞いた気がしますが、なんて答えてもらったか忘れてしまいました。ただ、はっきりと答えるのは結構難しい気がします。一番には割れや欠けの具合によって異なる、装飾の方法によっても違います。それから家でいつでも金継ぎできる(する)人、例えば2週間に一度決まって教室に通う人、行けるときに行く人、また教室の後に自宅で作業ができるような場合によっても異なります。

前提として、金継ぎに必ず使う漆は「硬化」と言って、塗った後固める必要があり、いわゆる乾かす時間が必要となります。いわゆると書いたのにはわけがあって、漆は洗濯物が”乾く”ような条件下では乾きません。どういうことかというと、普通は湿度が低い方が早く乾き、水分が抜けていくことを指します。

一方、漆はおよそ湿度70%、温度20度ほどの条件が必要です。不思議ですよね、湿気があると硬化するんです。工程の内容によって、その状態で1日以上おいたり、また1週間以上置く工程もあります。漆を使った工程の後、硬化させることが必要なので、おのずと時間がかかるのです。先ほど家で金継ぎをする人と書きましたが、そういう場合でもひとつの皿を集中して毎日作業することはできないのです。

ということで、教室に通う際は同時進行で3つとか4つとか器を持っていきます。そうしないと手持ち無沙汰になるのですね。ある工程が20分で終わり、さあ1日硬化させましょう、その次に2つ目の皿の別の作業をというように、順繰り作業していきます。私はひとつの教室しか経験がないので、もしかしたら他にもいろいろな仕組みがあるのかもしれません。

そして硬化する日にちも考慮して、仮に週に1度教室があったとしても、完成までに1か月以上数か月くらいはかかるのではないかと思います。

手前のフチを2か所、べんがら漆で仕上げています

私がこのぐい吞みを完成させるまでにかかった日数は半年。硬化のための日にちと、作業ができるかという自分の都合、両方に左右されるということです。教室に通う頻度は月に多くて2回、全く通わない月もあったかもしれません。もっと早く完成させることは出来たかもしれませんが、最低半年かかると思うくらいの気持ちで取り組んでみてください。

金継ぎにおいては、時間の流れが日常と異なるということが、身に染みて分かりますね。ゆっくりといきましょう!

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