とくさ(十草)ってご存知でしょうか?和食器のモチーフにもよく使われる植物です。写真を見れば、ああこれか、と分かっていただけそうです。
十草も、縁起模様として知られ、まっすぐ延びることから成長や繁栄の象徴として使われます。また、十草で金を磨くとツヤが増すとして金運が良いとも言われるそうです。では十草で磨くとは、どういうことでしょうか?
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とくさは別名「砥草」とも言い、乾燥させて、茎は研磨の用途で使われたそうです。そんな用途があったと初めて知りましたし、十草で磨こう!と先生がおっしゃるのを、冗談だと思っていましたが本当に十草が出てきました。
乾燥させるとごわごわとしているものの、中は空洞なのでハリと適度な弾力があります。それが研磨に丁度良いのかもしれません。金ではありませんが、この時は錆漆(漆と砥の粉を混ぜたもの)で成形したあとを、磨きました。単に漆を塗った時よりも、表面がガサガサしている状態です。先生のお手本をみて、こまやかに磨きました。
金継ぎの際には、実にいろいろな道具を駆使します。紙やすりも番手を変えて使うし、プラモデル用の筆や工具ではないものでも使えるものがあり、毎回先生がいろいろな道具を教えてくださるのが楽しみの一つでもあります。ですが、最新の道具に劣らず自然の植物が最適ということもまた、教えていただきました。十草を手に入れる機会があれば、乾燥させて金継ぎ用においておこうと思いました。
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