水の都大阪 レトロ建築めぐり

 先日、秋の関西に行ってきた。大阪ももう何度も行ったことがあるので、観光というよりぶらぶらしてお友達と会ったりおいしいものを食べたりする「ひとときを過ごしに」行く。今回は水の都と名建築を見たいというリクエストに応えてくれたかわいいお友達と、おしゃべりしながら街歩きをしてきた。

淀屋橋から市役所を左にして進みます

もう10年以上も前かなぁ。「その街の今は」という柴崎友香さん原作のドラマをたまたま見た時に、水の都大阪に惹きつけられた。それまでにも何度も大阪には行ったことがあったのに、こういうノスタルジックな気持ちになったのは初めて。ドラマから入ったけれど原作も素敵。読んで以来、どこであれその街の歴史、息遣い、人々の生活を感じる旅をしたいなと思うようになっている。

ここが昔どんなんやったか、知りたいねん――。28歳の歌ちゃんは、勤めていた会社が倒産し、カフェでバイトをしている。初めて参加したのに最低最悪だった合コンの帰り道、年下の良太郎と出くわした。二人は時々会って、大阪の古い写真を一緒に見たりするようになり――。過ぎ去った時間やささやかな日常を包みこみ、姿を変えていく大阪の街。今を生きる若者の日々を描く、温かな物語。

その街の今は 柴崎友香 より

そして名建築といえば、TV大阪で「名建築で昼食を 大阪編」が先頃放映されていて、レトロ建築熱がむくむくと高まっていた。

名建築で昼食を HPはこちらから

大阪市中央公会堂 重要文化財

 大阪市中央公会堂は、お隣の中之島図書館とともに「名建築で昼食を」の第6話に登場する。大阪の街には、こうやって時々近代建築が現れるので、タイムスリップしたような気持ちになる。

川と建物の間はカフェの外席

中之島にはバラ園がある。この日は気持ちの良い秋晴れだったので、思い思いにくつろぎ、美しい花を収めようと、あちこちでスマホを片手に歩く人たちがいた。旅で来ているのに、ビルや高速道路の間にあるというギャップで、気分は外回りの合間にくつろぐサラリーマン。束の間の、ご褒美を得たような。

今日も深紅の花をつけているかな
そんなとこに座ってるだけで絵になってしまう
順光の美しさよ

歩き疲れたのでオクシモロン 北浜でひと休み。ここから先ほどのバラ園が見える。ラジオ体操している紳士、魚釣りをしている紳士、鳥に餌をあげるご婦人…自由すぎる!ここで東京にいる息子から、鍵を忘れてマンションに入れないと電話がきたのがこの日のハイライト。

大阪取引所 昭和10年(1935)建造
英国式ティーサロン 北浜レトロ

北浜レトロも、登録有形文化財。

新井ビル 「五感 北浜本館」

最後に訪れたのはこちら。お菓子屋さん「五感 北浜本館」。新井ビルは、1922(大正11)年建造。室内からこぼれる光がまばゆい。黒塗りタクシーとブレーキランプもレトロな世界の小道具に欠かせない。

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大阪の好きなところは、コンパクトサイズということ。自転車でも徒歩でもどこでも行けちゃうんじゃないかなぁ。パリみたいに。そういえばドラマの中でも、市役所前はパリのセーヌ河畔をイメージして作られたと話すシーンがあった。

23年前のセーヌ川(RICOH GR1s)

あらためてセーヌ川と比べてみると確かに似ている。なるべく自分が撮影した写真を使いたいので古いアルバムを引っ張り出してきた。パリも好きで、そういえば私は結婚式も今は無き銀座マキシム・ド・パリで挙げた。パリ然り、レトロな空間が好みだったのね。

散歩が終わる頃にはすっかり日暮れ。レトロとモダンが交叉する、中之島、北浜。自分の過去と未来を重ねて、心のエネルギーチャージをしたようなひとときだった。

歩いても良し、レンタサイクルで回るも良し。レトロ建築を巡る大阪旅、おすすめです!

大阪観光局のレトロ建築に関するページはこちらから

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